リモートワークにおける非同期コミュニケーションの重要性とポイント

2024年8月26日に、ウェビナー「リモートワークにおける非同期コミュニケーションの重要性とポイント」を開催いたしました!

 

弊社バックエンド職域のプレイングマネージャーが登壇。リモートワークが盛んとなった現状における、非同期コミュニケーションのポイントについてお話しいたしました。

 

今回は、そのレポートをスライド資料・動画とともにお届けします。
最後にはご来場いただいた方からのご質問への返答を記載しておりますので、ぜひご覧ください。

非同期コミュニケーションの定義とポイント

非同期コミュニケーションとは

本題に入る前に、非同期コミュニケーションの定義を確認しました。
非同期コミュニケーションとは、メールやSlackメッセージ、backlogのコメントなど、リアルタイムではないやりとりを指します。ツールを活用することで、時間や場所に縛られずに効率的に情報を共有できます。

非同期コミュニケーションとは、送信者と受信者がリアルタイムでやり取りせず、各自の都合の良い時間に情報を交換する形式を指します。

非同期コミュニケーションのポイント

では、その非同期コミュニケーションを成功させるためのポイントについてです。

 

ひとつは、原則を設定すること。都合の良い時間に返答するにしても人それぞれの基準があるため、具体的に「メールは24時間以内に返信する」などといった原則を設定することで、認識のずれを防止できます。
また、厳しいルールとして設定するのではなく、原則とすることで柔軟性を持たせることも重要です。

 

そして、文字だけのやりとりのため情報量に気を配ることが重要です。表情や声色が見えないため、相手に伝わるためにはどういった情報が必要かをより考える必要があります。かといって、長くなりすぎても読むのが困難なため、簡潔に要約しなければなりません。

 

最後に、非同期コミュニケーションの限界を知ることがポイントとして挙げられます。非同期・同期ともにコミュニケーションの一つの手段です。どちらが優れているということではなく、適切に選択する必要があります。

非同期コミュニケーションのポイントは、原則設定・情報量と要約・非同期コミュニケーションの限界の3つが挙げられます。

ソニックムーブでのリモートワーク

ソニックムーブでは、チャットツールのSlackのほか、Discordというツールを利用しています。
Discordはテキストや音声で会話ができるチャットツールですが、音声会話用に利用。一人一つ音声チャンネルを作成することで、「話しかける」機会をオンラインでも再現しています。

 

また、雑談部屋やオンラインイベントなどの機会を設けることで、コミュニケーションを取れるポイントを意図的に作っています。メンバー同士の交流を促進し、リモートワークの欠点である孤独感を払拭、チームワークを高めるための取り組みとしています。

    ソニックムーブでのリモートワークは、意図的にコミュニケーションを取れるポイントを増やしています。discordの活用・様々な部屋の設置・イベントごとの交流機会などが挙げられます。

    非同期コミュニケーションの良い例・悪い例

    悪い例

    それでは、実際に例を見ていきましょう。まずは悪い例からです。

     

    「この前話した件なんだけど、できるだけ早めに対応しておいてね、お願い!」

     

    「自分としては〇〇の部分はもうちょっと考える必要があるかなぁと思ってたりするのですが、とりあえず新しい機能の提案を考えました。ご確認お願いします。」

     

    といった例は、受け手を混乱させてしまいかねません。文章だけのコミュニケーションだからこそ、具体的でない表現は避けるべきです。

    非同期コミュニケーションの悪い例をまとめると、感情が先に来ている・言葉が抽象的である・期限が設定されていない・具体的でない・情報量が少ない、となります。

    良い例

    良い例とは、悪い例の逆をするだけで完成します。結論を先に、具体的に期限や情報を提示しましょう。

     

    「今日の午後3時までに、〇〇機能のテストケースを10件作成して、テスト環境で実行お願いします。その後、テスト結果を午後7時までに報告お願いします。」

     

    といった依頼ですと、具体的に何を実施するのかが分かりやすいです。「テストを実行してください」だけだと、人によって「実行環境が分からない」「実行だけして、結果を報告しない」といったコミュニケーションミスが起こりえます。できるだけ具体的に指示を出すことで、そういったずれを防ぐことができます。

    また、外部情報を参照するときは、資料の添付やURLの記載も行うのが良いでしょう。

    結論として、非同期コミュニケーションの良い例は、悪い例の逆をするだけです。結論を先に、具体的な言葉で明確に期限を設定し、必要な情報を記載しましょう。

    リモートワークにおける非同期コミュニケーションの重要性

    まとめると、非同期コミュニケーションはリモートワークの成功に欠かせない要素です。そして、正しく活用することでデメリットを克服し、生産性の向上やチームの統一感を高めることができます。

     

    リモートワークにおけるコミュニケーションの改善は、多くの企業にとって課題となっています。それゆえに、考え方を共有し実践していくことが重要です。

    質問と回答

    最後に、ご参加いただいた方から頂いたご質問と、そちらへの回答をご紹介いたします。

     

    Q1.御社での非同期コミュニケーションでの失敗例を教えてください。

     

    コロナ初期のまだ手探りだった時期に、新入社員の方が孤独を感じて離職につながるという失敗がありました。その経験から、今はコミュニケーションの機会を意図的に増やしています。

     

    Q2.非同期コミュニケーションの難しい部分に、不特定のメンバーに発したメッセージに誰も反応しない、いわゆるお見合いが起きやすい問題があると思うのですが、工夫していることはありますか。

     

    まずは不特定多数に送らないように気を付けることです。
    次に、反応がないことは非同期コミュニケーションの最も大きい弱点の一つなので、同期コミュニケーションで解決して良いと思います。弊社ではDiscordを活用しているので、自分は片っ端から突撃していきます。

     

    Q3.今回は比較的「発信する側」の注意点という観点でのお話がメインだったと思うのですが、受け取る側の心構えや工夫はありますか。

     

    よかれと思って書いていないことを汲み取ろうとしても、文字だけだと表情、声色などがわからず難しいです。
    なので、わからないことはわからないとはっきり言ってあげることが大切だと思います。

     

    Q4.非同期コミュニケーションが適する場面、適さない場面があるかと思うのですが、どのように使い分けていますか?

     

    リアルタイム性が重要なものほど非同期コミュニケーションには適さないです。
    匙加減が難しいですが、その場で結論を出す必要がある議論などは同期で行っています。

     

    Q5.非同期コミュニケーションでの原則を決めても、個人差があり守らない人も出てくると思います。そういった方への対応を聞いてみたいです。

     

    例えば、メールを24時間以内に返すという原則があれば個人差はなくなります。
    「破ったらダメというわけではない」ということを強調して言ってしまいましたが、不必要に原則を破ることに関しては罰則も含めて対応をとったほうがいいと思います。
    それぞれの会社/チーム状況によって変わりますので一概にこれがいいといったものはないですが、自分は注意から始めてどうしようもない場合は評価に影響することも1on1などでお話したりして対応しています。

     

    Q6.非同期コミュニケーションのポイントを社内に浸透させていくのはとても難しいと思うのですが、何か工夫されている点はありますか?

     

    今回のテーマに限らず、何かを浸透させるというのは時間と労力が思っている以上にかかってしまうというのはまず受け入れる必要があるかなと思います。おそらく年単位で考えていいと思います。
    それを踏まえた上で、「根気よく言い続ける」ことが最も重要かと思います。例えば、論理的な説明が無いと納得できないという方であればその方の土俵で説明してあげないといけません。
    また、可能であれば評価指標として組み込むことも手段の一つです。
    浸透にかける時間が短ければ短いほどハレーションが大きく生まれるので、それをどこまで許容するかで方法を検討しています。

     

    Q7.github は使っているのでしょうか?

     

    弊社では最近までbitbucketを利用していましたが、徐々にgithubへと移行を始めています。
    project管理ツールは、githubではなくbacklogを使用しています。

     

    Q8.テキストのコミュニケーションでslack、Discordを使い分けているところはありますか。

     

    discordにテキストのチャンネルは存在しないです。
    音声チャンネルにもチャットはありますが、そこでは話す中でのURL共有くらいにしか使っていません。
    使い分けが不明瞭になってしまいますので、あくまでも音声のやりとりにのみDiscordを使用しています。

     

    Q9.出社組とリモート組でコミュニケーションの温度差を感じることがあります。うまく解消できたことはありますか?

     

    先に解決策だけ提示すると
    – オンラインのイベント
    – 業務中であればペアプロプログラミングのように(プログラミングに限らず)お互いの作業を見せ合う
    – 朝礼やミーティングの冒頭で雑談してみる
    など、オンラインでの接点を増やすのが良いと思います。

    そして、温度差は生まれてしょうがないです。
    それが良いか悪いかの判断はチーム/会社がどういう価値観を持っているかによると思います。
    自分も一時は温度差が無いほうがいいと思っていましたが、考えてみれば対面の時も人との仲良し度というのは一人一人違うものだったなと思います。


    自分のチームはペアプログラミングを週2,3回30分やるところから始めました。
    また1on1も毎月実施し、朝礼なんかは大体だれてくるのでどうせだれるんだったら雑談してやれって感じでやっています。
    最初はぎこちなく、1,2カ月くらい全然仲が深まらないみたいなこともあって不安になりましたが、慣れてくれば意外と仲良くなったりすることもありましたし、長くやっていれば何もやらないよりは仲は深まると思います。


    また、最初は文句を言われるかもしれませんし嫌だなと思われるかもしれませんが、やってくれるなら文句を言われてもいいかなという精神を自分は持っています。笑

     

    Q10.リモートに慣れてしまって、出社を嫌がるメンバーに対してはどうやって出社を促していくのがよいでしょうか

     

    出社しなければいけない理由があるのに出社をしない場合に関しては上長などに相談をしてください。上長側の方は必要性の説明の上、注意やそれなりの対応をしましょう。

    出社する理由がない場合には無理に促す必要はないと思います。自分も飲みに行く時以外はあまり出社したくないので。夏暑いですし……。
    コミュニケーションは取りたいけど出社はめんどくさい、といった程度であればオンラインで充分かと思います。

     

     

    みなさま、たくさんのご質問をありがとうございました!

    ソニックムーブの勉強会恒例の和やかなムードながら、活発な勉強会となりました。

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