「効率よく進める打ち合わせ(会議)」の質を高めるための15のコツ
社内での打ち合わせ(会議)を、つい「なんとなく」やっていませんか? けれど、そういった目的の見えない打ち合わせは時間の浪費に繋がりかねません。気心の知れた同僚との打ち合わせであっても、効率的に良いアウトプットを生み出すためにはそれなりのコツが必要ではないでしょうか。
そこで今回は、ブレストが伴うような「社内打ち合わせ(会議)」を行う際の、ごく基本的なコツをいくつか挙げてみようと思います。
目次
もくじ
- 本当に打ち合わせを行う必要があるか考える
- 参加人数を考える
- アジェンダを周知しておく
- 参加者は遅刻をしない
- 打ち合わせに集中する
- 司会進行はさんまをイメージ
- 議事録を執ることに専念する
- 打ち合わせの目的を宣言する
- タイムマネジメントを心掛ける
- 話題を回す、深掘りする
- とりあえず発言してみる
- 否定するときは代替案を出す
- ムダ話で打ち合わせをした気にならない
- 決定事項と宿題を確認する
- 会議室を綺麗にする
【01】本当に打ち合わせを行う必要があるか考える
その課題は、わざわざメンバーを集めるほどの内容でしょうか? メールや立ち話で済みませんか? 打ち合わせは、参加者のコストが発生してしまいます。時間の浪費を生まないためにも、時には「打ち合わせをしない」という判断も必要です。
【02】参加人数を考える
ブレストが伴うような打ち合わせには、最適な人数があるように思います。「話の共有も兼ねて」とメンバーを集めたがる人がいますが、それであれば「共有の場」を別に持つか、あとからその内容を周知すれば良いのです。参加人数が多いと当事者意識が薄れてしまうのか、「発言しないひと」が出てきてしまいがち。闊達な意見を交わし合うためには、お互いを近くに感じられる5~6人ほどが良さそうです。
【03】アジェンダを周知しておく
「さあ、考えて!」と、打ち合わせの場で議題を知らされるケースはたびたび起こりますが、いきなり名案は誰しも浮かばないものです。事前に打ち合わせの議題を参加メンバーに知らせ、各々で多少なりとも調べたり・考えてもらったりしておいたほうが、密度の濃い打ち合わせができるでしょう。
【04】参加者は遅刻をしない
遅刻するひとがいると、待っているメンバーの時間を浪費してしまいます。それだけではなく、場が締まらずにグダグダな打ち合わせになってしまうかもしれません。打ち合わせは自分だけのものではありません。「ひとりぐらい遅れても何とかなる」とは考えずに、当事者意識をもって時間調整をするようにしましょう。
【05】打ち合わせに集中する
手元のノートパソコンなどで「他の業務」をしながらの打ち合わせは止めましょう。本人は聞いているつもりでも微妙に話の流れを止めてしまい、場の集中が保たれなくなってしまうことが多いからです。
また、誰かが発言しているときに思いついたことをヒソヒソと喋りたがる人がいますが、発言内容が遮られてしまい耳ざわりです。誰かがしゃべり終わるのを待ってから話すようにすべきです。
【06】司会進行はさんまをイメージ
自由気ままに話すと収集がつかなくなりがち。そんなときでも話題の流れを作れる、司会進行役を置くようにしましょう。
司会する上で参考になるのは、明石家さんまさんでしょうか。バラエティー番組で「ほうほう」「それってどんな?」「〇〇はどう思うの?」と話題を引き出して、場を盛り上げつつ、話の落としどころを見失わないのはさすがですよね(敢えて言うまでもありませんね^^;)。同じように爆笑を取ることは無理でも、「さんまさんの振る舞い」をイメージするだけでも何となくその気になって進行できたりしますよ。
【07】議事録を執ることに専念する
司会進行しながら議事録を執るのは、できるだけ止めましょう。進行と記入がどっちつかずになり、肝心な部分が抜け落ちてしまう場合があるためです。よって、担当を決めて書いてもらったほうが良さそうです。
議事録は、話題の全てを記録する必要はありません。後で振り返って把握できるよう、話のテーマや決定事項、課題などポイントとなる点だけを拾えば良いのです。慣れてくれば、話の整理がうまくなり、書きながらも適切な発言ができるようにもなります。
【08】打ち合わせの目的を宣言する
司会は「何を目的として、どんな成果を残したいのか」を冒頭に述べるようにしましょう。ここを明確にしておけば、メンバー間での共通認識が保たれ、その目的をぶらさず意見やアイデアを出すことができるようになります。
また、進めるなかで話が行き詰ることがあるかと思います。そんなときは原点に返り、目的についてシンプルに考えてみると思いがけず答えが出たりしますよ。
【09】タイムマネジメントを心掛ける
時間内に目的を果たし、打ち合わせを終えたいものです。そのために、司会者は同じく冒頭に「今日は〇時に終了」と言っておくことをお勧めします。また、節目のタイミングで「あと〇分」と残り時間を言うようにします。
話し込むとついつい時間を忘れてしまいがちですが、こう言うことで「時間内で終わらせるぞ」という意識が参加メンバーのなかに芽生え、限りある時間のなかで良いアウトプットが生まれるようになるのです。
【10】話題を回す、深掘りする
特に司会者は、サッカーのパス回しのように話題というボールを操り、参加者の発言を引き出したり、深く迫ったりして、アウトプットを出しやすい雰囲気を作っていくのが理想的でしょう(「さんまイメージ」でも触れましたが)。
たまに「これが答えだ!」とばかりに自らゴールを決めたがる人がいますが、これは危険です。なぜなら、参加メンバーが「その意見で良いかも」と思考停止状態に陥り、浅い議論で終わってしまうことがあるからです。
【11】とりあえず発言してみる
打ち合わせで何も話さないのは、職務放棄をしているのと同じです。参加メンバーは何かしら発言しましょう。しかし、アイデアが湧かなかったり、慣れていなかったり、話題に付いていけず何も話せないこともあるでしょう。でも気にせず発言してみることをお勧めします。話してみたら、意外にも考えがまとまったり、誰かが呼応して話が広がっていったりするものですからね。
【12】否定するときは代替案を出す
話題の「パス回し」を円滑にするためには、聞き手の意識も大切です。誰かの発言に対して反射的に否定ばかりしていては、場の空気も悪くなってしまいます。場の空気が悪くなると、沈黙が生まれ、アイデアが沸きにくい状態になってしまいます。「否定」しっぱなしではなく、別の角度の意見やアイデアを出すなどして、話題が転がっていくよう心掛けましょう。
また、誰かの話題に対して「うんうん」と頷いてあげるだけでも話しやすい雰囲気が生まれるので、ぜひ心がけてみましょう。
【13】ムダ話で打ち合わせをした気にならない
ムダ話だらけで盛り上がり、「良い打ち合わせをしたなぁ」と満足感に浸っている人をたまに見かけます。場が盛り上がる打ち合わせは楽しいものですが、かかった時間に対してのアウトプットが乏しくならないよう注意したいものです。ただし、ムダ話はアイデアを出するうえで良いアクセントにもなるので、話すときは脱線しすぎないようほどほどに。
【14】決定事項と、宿題を確認する
話された内容の振り返りを、その場で行いましょう。冒頭の目的が果たされているのか、果たされていないのであれば次に誰が何をすべきなのか、記憶がハッキリしているうちに共通認識を取っておくことが大切です。
これを疎かにしてしまうと、後日「そんなこと言ってたっけ?」という事態が生じてしまいます。おすすめは、議事録を執りながらスクリーンに投影すること。内容の把握が容易になり、抜け漏れが防げます。
【15】会議室を綺麗にする
椅子が乱れ、机には手あとが残る会議室(兼来賓室)にお客さまを通してしまい、恥ずかしい思いをしたことはありませんか? そのような会議室に通されたお客さまは「このレベルの会社なんだ」と判断してしまうに違いありません。打ち合わせで良いアイデアが生まれ、それを他社に提案したとしても、色眼鏡をもって見られてしまうかもしれません。よって、会議室は使いっぱなしにしてはいけないのです。
来客が無かったとしても、次の利用者が気持ちよく利用できるよう、会議室を整えてから打ち合わせを終えるようにしましょう。
最後に
「社内打ち合わせ」の流れを要約すると、「目的を定め、進行し、成果を残す」でしょうか。
そう、これってWebディレクターの業務の流れと同じですよね。よって社内打ち合わせは、Webディレクターに必要なスキルが凝縮された場であると言えるのかもしれません。そう考えると単なる社内打ち合わせであっても疎かにはできません。短時間でスキルを高めていける場なのに「なんとなく」進めていたらもったいないのです。
何ごとも効率よく進めるためにはちょっとしたコツを意識することが大切です。ここで挙げたことはあくまでも一例となりますが、当たり前にできるようになれば円滑な進行ができるようになると思います。ぜひうまく取り入れ、最高のアウトプットを出せるよう「社内打ち合わせ」を洗練させてみてはいかがでしょうか?
※より高度に打ち合わせのスキルを磨きたい方は、「佐藤可士和の打ち合わせ」がおすすめです。機会があればぜひこちらも読んでみてください。