どうも!

システムエンジニアのトーマスです!

猫も杓子もアプリ開発な時代になりましたね。

アプリ開発の需要が高くなると同時にサウンドの需要も一気にアップしました。

以前、サウンドエンジニアだった事があるので、今回はその経験を生かして編曲に関して書こうと思います。

今回は「Chim Chim Cher-ee」(『メリー・ポピンズ』より)を編曲してみました。

 

編曲前の曲

 

編曲後の曲

 

随分、イメージが変わったと思いませんか?

和声ってご存知でしょうか?

大きなくくりで音楽理論の事をさします。

システムでいうところのオブジェクト指向みたいな感じの事です。

今回はそれを生かして編曲してみました。

 

予備知識

まず音はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で構成されています。

(和声だとⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶと表現されます)

音はド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの7つの音で構成されている

 

これらの集合体を和音と呼び、その基礎とのなるのが、3和音と呼ばれる形体で基礎和音形体とも呼ばれます。

3和音

 

一番低い音を根音

根音の3度上の音を第3音

根音の5度上の音を第5音

この3種類の音を3和音の構成音(基礎構成音)と呼びます。

 

そしてこの構成をいろんな順序に置き換える形を転回といいます。

根音が最低音の形を基本位置

それ以外を転回位置といいます。

転回位置にはつぎの2通りの形があります。

最低音が第3音なら第1転回位置

最低音が第5音なら第2転回位置

といいます。

3和音の展開

 

では、予備知識はこのへんで一旦終わりにして、次に和音の配置について書きたいと思います。

 

和音の配置

基本的な合唱形態と使われるのが4声体(混合4部合唱)で上から順に

ソプラノ

アルト

テノール

バス

と呼ばれます。

四声体

ソプラノとバスを外声

アルトとテノール内声

と呼び、ソプラノ・アルト・テノールを上3声と呼びます。

上3声の配置において、ソプラノからテノールの距離が

1オクターブより狭ければ密集配分

1オクターブより広ければ開離配分

ちょうど1オクターブならオクターブ(重音)配分

と呼びます。

 

022b

 

では、さっそく音を配置してみましょう!

バスをI(C)と設定してみましょう。

 

そうすると下の音が候補となります。

バスをI(C)と設定

 

各パートの音域は以下になります。

パートの音域

 

いかがですか?

配置できましたか?

 

基本形だとこんな感じですかね。

基本形

 

和音の進行と連結

配置ができたら次は音と音を連結させて進行させてみましょう。

前の音を先行音

後の音を後続音

と呼び

先行音より後続音が高い音の時は上行

先行音より後続音が低い音の時は下行

といいます。

 

そして、上行・下行の音程が

2度の時は順次進行

3度以上の時は跳躍進行

同じ音の時は保留

といいます。

和音の進行と連結

 

連続8度、連続1度、連続5度の禁則

このように音を進行させていくのですが、禁則される進行方法があります。

 

先行音と後続音が共に完全8度、完全5度、完全1度の時

これらを連続8度連続5度連続1度

といい特殊な場合や意図的でない場合は禁則されています。

※連続5度は後続音が完全5度の場合に禁則されます。減5度の場合は許可されます。

連続8度、連続1度、連続5度の禁則

 

並達8度・並達5度

そして、後続音だけが完全8度、完全5度、完全1度になる事をそれぞれ、

並達8度並達5度並達1度といい

外声間での並達8度・並達5度はソプラノが順次進行でない場合は禁則されます。

 

例:並達8度

不良

例:並達8度、不良

 

許可

例:並達8度、許可

 

例:並達5度

不良

例:並達5度、不良

 

許可

例:並達5度、許可

 

このように禁則に気を付けて、音を連結させていきます。

次は音の進行方法です。

 

カデンツ

イメージしてみてください。

自分の好きな単語を無秩序に並べてもまったく意味のない言葉になりますよね?

音も一緒です。

 

言葉に主語・述語・補語があるように、和音にも和音設定とよばれる機能があります。

その機能をカデンツと呼びます。

 

トニック(T) ド・ラ

ドミナント(D) ソ

サブドミナント(S) レ・ファ

※ミとシは特殊な用法をもつので今回は割愛します。

 

カデンツの3種の型

第1形:T ⇒ D ⇒ T

第1形:T ⇒ D ⇒ T

 

第2形:T ⇒ S ⇒ D ⇒ T

第2形:T ⇒ S ⇒ D ⇒ T

 

第3形:T ⇒ S ⇒ T

第3形:T ⇒ S ⇒ T

 

進行のイメージはこんな感じですね。

進行のイメージ

 

カデンツを結合していけば、いくらでも長い和声を形成できます。

 

が!それだけでは句読点のない文章のようなものになり見どころがなくなってしまいます。

そこで重要になるのが終止です。

 

終止

終止には以下の4つがあります。

全終止 (句読点だと「。」ピリオド的な存在)

和音:⇒ V ⇒ I

カデンツ:⇒ D ⇒ T

全終止

 

偽終止 (句読点だと「、」カンマ的な存在)

和音:⇒ V ⇒ Ⅵ

カデンツ:⇒ D ⇒ T

偽終止

 

半終止 (句読点だと「、」カンマ的な存在)

和音:⇒ V

カデンツ:⇒ D

半終止

 

変終止 (句読点だと「。」ピリオド的な存在)

和音:⇒ Ⅳ ⇒ I

カデンツ:⇒ S ⇒ T

変終止

 

作曲してみよう!

カデンツを組み、配置して、禁則に注意しながら結合すればオリジナルの楽曲の完成です!

 

もちろん、理論が全てに当てはまるわけではないですが、和声を身に付けておけば構成に悩んだ時に理論的に解決する事できます。

 

7つの音を自在に操れればあなたも今日から作曲家ですね!!

 

編曲してみよう

今回は元の音源のカデンツをいかし、配置を変えて結合してみました。

後は楽器を変えて演奏する事で大きくイメージ変えています。

 

今回使用した楽器は

・バイオリン

・ビオラ

・チェロ

・コントラバス

・ピッコロ

・フルート

・オーボエ

・クラリネット

・トロンボーン

・ホルン

・ティンパニー

です。

 

楽器の編成は4編成⇒6編成⇒10編成⇒4編成と変化させ、各楽器の見どころを作る事で豪華に聞こるようになります。

 

▼今回の制作環境

DTM:cubase

音源:vienna instruments

エフェクト:vienna suite

 

クラシックのMIDIの作成方法やミキシング・マスタリングの事は、反響があればまた次の機会にでも書こうかと思います☆彡

 

では、今回はこのへんで!!!

 

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