時には過剰だと言われるフォトショ加工。なぜレタッチが必要なのか?
レタッチとは
レタッチとは、カメラで撮影したままの状態から、写真を修正したり、また撮影者の表現イメージにより近づけるよう、パソコン上で行う修正作業のこと (引用)
レタッチは、一般の広告やWeb制作においてほぼ必ず行う業務の1つです。
過剰なPhotoshop加工に対する疑問の声
なぜレタッチするのか、ありのままの写真の方いいんじゃないの?といった意見がありました。
実際に調べて見ると、同じ疑問を持った方が記事にしたものも多く見られ、ファッション雑誌やプリクラなどの過剰な補正のせいか、表現が歪曲してしまい話題になった事案もありました。
参照:PhotoShop(フォトショップ)過剰で破綻したファッション雑誌の表紙 – NAVER まとめ
これはちょっとやりすぎですね、こう言った影響で写真加工に疑問を持ってしまうのかもしれません。
確かに個人の趣味で撮影する場合や図鑑など正しく情報を伝えないといけないものにはレタッチは必要ないかもしれません、しかしレタッチ作業なしでは、人を引き寄せる魅力的な写真を実現するのは難しいのです。
一般に出回っている広告や雑誌に掲載されている写真のほとんどはレタッチを行っているのが事実です。
なぜでしょう?、、、
現物は自分が思っているほど鮮やかではない。「記憶色」と現物との色の齟齬
写真を撮りに行った時、いい写真が撮れた!と思っていざ家に変えてデータを読み込んでみたら、あれ、、?なんかイメージと違う、、、こんなに薄い色だっけと思ったことはありませんか?
実はこれは、自分の持つ「記憶色」と言われるものと現物の色との違い、齟齬(そご)が1つの原因とされています。
- 記憶色とは?
人は空、森、海などの固有のものに対して、これはこう言う「色」だと勝手に記憶してしまっているようです。
それでいてその色は現実のものに比べて鮮やかにインプットされています。
しかも感情やその場の雰囲気によっても色の見え方は変わってしまうそうです。
もちろん感覚的なものなので多少の個人差はあります。
そう、みんなが見ている周りにある「もの」はさほど鮮やかではないのです!自分が記憶している色というのは嘘の色として記憶しているのです!
そのため、いざ写真を見たときに自分の記憶との齟齬で違和感を感じてしまう、という仕組みなのです。
ということはその齟齬を埋めてあげることではじめて、「綺麗!」と思える写真となるのです。
つまりはその記憶色を再現する上でレタッチ作業が必要になってくるということですが、ファッション雑誌の例はともかく、魅力的な写真を見せることはユーザーを惹きつける大きな要因の一つであることは間違いありません。
ちょっとややこしいですが、なんとなくイメージがつきましたでしょうか?
他にも記憶色に関しての記述がたくさんありましたので、ご参考までに。
- そのカラー写真は、本当にカラーなのか – 天狼院書店
- 加工における記憶と心象風景〜写真は何故レタッチが必要なのか編〜【クラウドワークス】
- 第9回 色を正確に再現するだけでは美しい写真とはならない!? | そうだったのか!デジタルフォトの色 | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
記事を読んでいる限り具体的どうすればいいというものははなく、「色」というものは曖昧なものなので、やはり練習あるのみといったところでしょうか…。様々ないい写真を見て、色を記憶して、実際に写真を補正してみる、ということを繰り返すことで、人を惹きつけるいい写真を実現できるのではないでしょうか?